2018年度 第3回研修会(野外巡検)開催報告

地盤品質判定士会神奈川支部主催の第3回目研修会である野外巡検を「横浜市内 がけ地の地質と対策工を学ぶ」と題し、下記要領で開催した。


開催日時:2018年12月15日(土)9時30分~12時

巡検場所:横浜市南区蒔田町、堀ノ内町2丁目、睦町2丁目、中村町5丁目

参加費:500円 (レクリエーション保険料等)

参加者数:25名予定2名欠席、合計 23 名

G-CPD:2.5 ポイント付与


今回は、横浜市南区地内の下末吉台地のがけ地(自然斜面、人工法面)や斜面部での宅地造成が中断している現場を見学した。過去に斜面崩壊が発生したがけ地を、法令に準じて法枠工等の保護工によりのり面対策を行った現場や、法令に準じない斜面が視察先に含まれていた。

B地点南区堀ノ内町2丁目見学地は、宅地造成が中断し、斜面崩落等が発生する危険性が高い状況にある現場であった。2018年12月から2019年8月の間、行政代執行による法面対策工事が施工される予定である。

D地点南区中村町5丁目見学地は、1999年(平成11年)2月17日にワコーレ吉野町ガーデンの裏の斜面が崩壊し、崩壊土砂は崖とマンションの間の隙間に山をなすように堆積した。崩壊斜面の台地上は米軍根岸住宅となっており、対策工は施工済みである。

各見学地では、神奈川支部幹事の大久保拓郎氏、細倉摂央氏から対策工及び法令上の対策についての解説、高橋一紀氏より下末吉台地の地形・地質の解説をしていただき、参加者との質疑応答が交わされた。今回の巡検が、会員皆様の今後の業務で、がけ地対策工法選定のヒントになれば幸いです。


行程・内容

9:30~10:10

A:市立蒔田小学校
横浜市南区蒔田(まいた)町1,020番地

北側法面:法枠工 見学 (斜面上部から)。
斜面西側:ブロック積み擁壁およびコンクリート擁壁 他
斜面東側:モルタル吹付工(遠方より)

A地点 蒔田小 野外巡検の行程説明

 

10:10~10:30

徒歩移動 見晴らし公園→堀ノ内町の宅地造成中断中の現場 見晴らし公園より堀ノ内町の現場を遠方より望む。急傾斜地崩壊危険区域の解説

B地点 堀ノ内2丁目 造成中断現場を遠方より観察 下末吉台地を望む

 

10:30~10:50

B:堀ノ内町2丁目
宅地造成中断中の現場

宅地造成に伴う建物根切り工事により、斜面の一部が崩落。斜面下の道路および周辺から見学

B地点 堀ノ内2丁目斜面下より違反建築現場を望む
B地点 堀ノ内2丁目 斜面上部の変状を観察

10:50~11:15

徒歩移動

C:西ノ谷公園 見学

横浜市南区睦町2丁目 法枠工(枠内PC矢板止め)

C地点 西ノ谷公園 法枠工を背景とした集合写真
(プレキャスト法枠工の枠内はPC矢板設置)

 

11:15~11:30

徒歩移動 堀割川(土木学会土木遺産)に架かる中村橋を渡る

吉田新田の埋立と、根岸湾を結ぶ舟運を目的として造られた人工運河、明治7年(1874)に完成。

11:30~11:50

D:ワコーレ吉野町ガーデン

横浜市南区中村町5丁目 厚層(こうそう)基材(きざい)吹付け工、法枠工、コンクリート
張工、アンカー受圧板

 

11:50~12:00

総括・総合討論 閉会
天神橋バス停解散

立花 秀夫【神奈川支部長】閉会挨拶

希望者のみ
12:28~13:20

中村橋より代官坂上へ移動
元町百段公園 見学(自由参加)

関東大震災で大規模な土砂災害発生
コンクリート張工、法枠工、ロックボルト工


 

以上