《地盤品質判定士コラム第9回》みなさんの住んでいるところは盛土地盤?

お住まいの地域の地盤を調べてみましょう!
(ハザードマップの確認方法について)

 最近、大雨による災害や地震による被害など盛土災害に関するニュースをよく目にすることがありますが、皆さんは自分の住んでいるところが盛土地盤なのか、ご存じでしょうか?

 普段、なかなか意識することのない自分の住んでいる土地について調べてみると、色々なことがわかります。

 全ての盛土が危険という訳ではありませんが、盛土地盤は人工的に作られた地盤であるために災害リスクが潜んでいるところがあることも事実です。

 日本は災害大国で地震や豪雨が頻発しています。これに伴って土砂災害も多く発生しており、これらの被害に遭わない場所を探すことは、残念ながらとても難しいというのが現状です。

 ですが、やみくもに災害を恐れていても何の解決にもなりませんので、まずは自分で調べて、自分の住んでいるところのリスクをしっかりと認識しておくことが大事です。

 このように言われても、どうして良いかわからない!という方が多くおられると思いますので、今回、地盤の災害リスクの調べ方の一例をご紹介します。

 実は、災害に係わるリスクは、様々な公的機関から色々な情報が出ていて、それらを地図上に集約して掲載してくれているとても便利なサイト「重ねるハザードマップ」というものがあります。

図-1 重ねるハザードマップ

 使い方は、とても簡単でご自身のお住まいの場所を表示してから、「すべての情報から選択」から「大規模盛土造成地」を選択することで、大規模盛土造成地(注.1)を地図上に重ねることが出来ます。

図-2 大規模盛土造成地マップ

(注.1)大規模盛土造成地:面積が3,000㎡以上,もしくは盛土する前の地盤面の傾斜が20度以上でかつ高さが5m以上の盛土造成地の事を示す。

 また、大規模盛土造成地の他に自分の住んでいるところに洪水のリスクがあるか、土砂災害のリスクは?液状化は?なども確認することが出来ますので、一度確認されてみては如何でしょうか?

 重ねるハザードマップでは、現在の空中写真や昔に撮影した空中写真や地盤の高さを陰影図で表現した地図なども見ることも出来ます。 自分の住んでいる所の地形を見てみたり、昔の街がどのようになっていたのかを見てみるのは、意外と楽しいものです。

図-3 洪水ハザードマップ
図-4 地形(陰影図)に洪水ハザードマップを重ねたもの
図-5 最新の空中写真(左)と1960年代(右)の空中写真

 「重ねるハザードマップ」は、国土交通省や都道府県など関係各機関が作成した防災情報をまとめたページです。洪水、土砂災害、津波などのハザードマップや大規模盛土造成地などを確認することが出来ますので、ご活用ください。

最後に大事なことをひとつ。

 重ねるハザードマップも含めて、全ての地図情報には、目的などに応じた図面のスケール(縮尺)というものがあります。

 例えば、液状化危険度分布図であれば250m四方に区分して液状化の危険度が色分けされています。そのようなところで、自分の家は大丈夫?隣の家は危ない?などと、たとえ危険度の着色境界にあったとしても考えてもあまり意味が無いことが分かると思います。

 液状化現象は広域に発生する事象であり、広い目でみて、液状化リスクを把握することが重要です。 その他のマップに掲載されている各種情報も同様で、掲載されている情報の意味を理解したうえで、広い視点で災害情報を確認して正しく災害リスクを認識し、災害に備えておくことが大事だと思います。

図-6 液状化ハザードマップ

伊東 広敏

地盤品質判定士。
所属:株式会社エイト日本技術開発
専門分野:地盤に関する調査・解析・コンサルティング
これまでの活動:地盤工学会 宅地地盤の性能評価技術に関する研究委員会、地盤情報DB委員会、地盤品質判定士会、土木学会土木情報学委員
宅地耐震化事業の推進のために、地方公共団体への働きかけ、建設コンサルタントとしての業務対応に注力している。あまり時間を取れていないが一般市民向けの相談対応にも積極的に関わり、社会に貢献していきたい。